謄写印刷器材店のPR誌から覗いた戦前・戦後史
昭和32年(1957年)

千田規之氏のハンドメード鉄筆。商品名「NS鉄筆」
1月、千田規之氏のハンドメード鉄筆(右図)が、昭和堂から本格的に発売されました。これは特殊鋼を1本ずつ仕上げたもので、硬度の高さや仕上げの精密さによって全国の技術者に愛好され、従来は予約販売でしたが、
『昭和堂月報』No.78
千田氏が前年から鉄筆の製作に専念し、ようやく一般販売となったものです。謄写印刷がピークを過ぎようとする時期に登場した、最後の「ブランド品」ともいえる製品でした。

11月、全日本謄写印刷業連盟(日謄連)の会長に幅弓之助が就任しました。昭和堂内に置かれていた日謄連事務局は、これに先立って神田神保町に独立した事務所を確保し、また事務局長の竹内三二郎氏はこれを機に昭和堂を退社し、日謄連の職務に専念することとなりました。

『月報』はNo.78〜82の5号が発行されました。紙面は従来に比べやや低調で、業界の関心が、機械化、近代化に向っていたことをうかがわせます。
第T部 戦前編
昭和8年〜12年

第U部 戦後編
昭和23年(1948)
昭和24年(1949)
昭和25年(1950)
昭和26年(1951)
昭和27年(1952)
昭和28年(1953)
昭和29年(1954)
昭和30年(1955)
昭和31年(1956)
昭和32年(1957)
昭和33年(1958)
昭和34年(1959)
昭和35年(1960)

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■この年
1月、日本の南極観測はじまる。
8月、東京の人口が850万人に達し、都市人口世界一に。
10月、ソ連が世界最初の人工衛星打ち上げに成功。
10月、5000円札発行。
12月、100円硬貨発行。
この年、なべ底景気始まる(〜33年末)。
この年、業界では桜井広済堂などでタイプ組版によるオフセット印刷を本格的に開始。