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ガリ版ネットワーク日誌[2000年11月]


11月某日
Z派孔版技術保存会の名前で、金子良三Z派孔版画遺作展のご案内をいただいた。金子良三(1906〜2000、山形県生まれ)は、東京大学職員として勤務、戦後、孔版画の制作、地元での後進への指導者としても活躍した。日本孔版文化の会千葉県支部副支部長などを歴任。今回は、金子により技術を伝承した有志者による展示会が、「千葉市民ギャラリー・いなげ」で開催された(10月31日〜11月5日)。

11月某日
「ラオスの子どもに絵本を送る会」の代表、チャンタソン・インタヴォンさんが、アジア人権基金の第5回アジア女性・人権特別賞を受賞。1982年、同会設立。義務教育も十分でないラオスの情操・識字教育を支援。ガリ版ネットワークとの関わりは、ラオス小学校教師らが日本の画家と孔版でラオス民話の紙芝居をつくり、同紙芝居が「ガリ版展98」に出品されたこと。素朴な味わいの紙芝居は、来場者の共感を得た。

11月某日
孔版画家、大場正男さん(福岡県)が永年にわたる版画家としての諸活動の功績が認められ、福岡市文化賞を受賞。

11月某日
不二プリント商会玉田社長から、最新のガリ版台本などいただく。BSフジ開局の記念番組「サザエさん」(宇宙からおめでとうスペシャル)で、サザエさん一家がBSデジタル放送の現場を訪れ、“BS放送とは何か”を勉強するという仕立て。「サザエさん」は30年にも及ぶ長寿番組で、現在までガリ版印刷でつくられている。
玉田社長によれば、「次第にワープロに変わり、ガリ版はサザエさんだけ」とのことである。最新のデジタルを紹介する番組が究極のアナログにささえられている(声の出演者たちがガリ版印刷を好んでいる)のも興味深い。

(2000.12.8、志村)
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