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ガリ版ネットワーク日誌 [2003年5月]


5月某日
「うちに謄写版あるんですよ」。名古屋のYさんという年配の男性から電話があった。大東化工の資料室(岐阜市)を紹介したテレビ番組に刺激されて、「なつかしくてねぇ」とネットワークの活動内容について問い合わせてきたのである。たぶん、もうすぐ謄写版への興奮もおさまると思う。“謄写版の時代”の記憶は、一定の年齢層より上の世代には、若きころの記憶とわかちがたく結びついている。しかし10年前と比較すれば、こういうおじさんも少なくなった。そのころは、頼んでもいないのに、ガリ版について教えてくれる人(申しわけないが、“教え魔”と呼称)や、ガリ版話を晩酌の肴にする人もいたりして悩まされたものである。

5月10、11日
北浦満治さん、楠本公子さんといっしょに山形へ。久しぶりの“山形倉庫”(実は山形謄写印刷資料館収蔵庫の一画を拝借。事務局志村と雑居している方を“志村倉庫”と呼んでいる)訪問である。近づいた春の器材頒布の日のために、新しい寄贈品などの確認と“志村倉庫”への発送作業が目的。夕方には、9個の器材入りダンボール箱を宅配業者に手渡す。
翌日は福島下車。「原郷のこけし群西田記念館」で開催の「板祐生孔版画ポスター展」を見る。著名なこけし収集家・研究者であった西田峯吉にも、蔵書票、版画収集の時代があった。西のコレクター板祐生と親交もあり、祐生作品を遺している。展示資料のひとつ「鳩笛舎消息」(西田峯吉著 昭和22年2月刊)の出版元が昭和謄写堂であることを、はじめて知った。
山菜の季節とあってこの時期、福島駅前には、各種の山菜が並ぶ。新鮮なたらのめとこごみを買う。最高のおみやげである。

5月某日
3日もかかって山形から送った9個の宅配便がつく。腰の曲がった年配のドライバーが届けてくれた。荷下ろしを手伝う。話好きでニコニコした笑顔がよかった。アリガト、アリガトと言って帰っていった。なんだかうれしくなって「日誌」に老人のイラストを描く。

5月某日
最寄の生田駅前のH書店にビデオテープのダビングを頼みに行くが、機械がこわれたのを機に中止して、もう数か月たつとのこと。
6月1日の器材頒布にそなえて、銀座・伊東屋でシルクスクリーン用絹布を3m(1m 2,500円)買い求める。ついでに伊東屋近くのカメラ店でダビングを依頼するが、銀座価格(?)なのか、3割も高い。

(事務局・志村章子)
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