競争のルールを変える取り組み@JAPAN PACK 2025 . . .(2)データ共有、BIツール・AIエージェント活用

JAPAN PACK会場では様々な講演・セミナーが行われましたが、筆者は「データ」「AI」がキーワードのものを中心に参加しました。その中から、日清食品株式会社 常務取締役 事業統括本部長 兼 Well-being推進部長 深井雅裕氏によるご講演の内容をご紹介します。

 

これは10月10日に開催された特別講演で、タイトルは「AIが変える食品サプライチェーンの未来 ~取引関係からパートナーシップへの変革とその実現~」。この講演では、サプライチェーンを構築している企業との関係を「取引関係からパートナーシップへ」と進化させながら、サプライチェーンを強靭化する同社の取り組みが紹介されました。

 

 

深井氏によれば、日清食品のサプライチェーンはまだまだ改善の余地が多いそうです。2022年4月に発売された「0秒チキンラーメン」のように、「当初の販売計画を大幅に上回り、十分な供給量を確保できない状況」になって販売を一時的に休止する製品が時々出てくるためです。

 

同社がサプライチェーンを強靭化する最初のステップは、「データを取引先企業と共有することを通じた、サプライチェーンの効率化」でした。例えば、同社は今後4ヶ月の生産計画を特定の資材メーカと共有し始めています。

 

今後は、BIツールAIエージェントなどを活用することで、パートナー企業(サプライチェーン参加企業)との交渉を透明化して、無駄な駆け引きを削減したり意思決定を迅速化したりすることを計画しています。さらに、パートナー企業が計画的に設備投資や人材育成を実施して、サプライチェーン全体の利益を最大化できるようになることを目指しています。

 

こうした動きは、営業・提案があまり得意ではない印刷会社にとっては好ましそうです。ただ、パートナーとなるためには、サプライチェーン全体の持続的強化に貢献するため、必要なデータを取得・共有したり、(AIも活用した)BIツールやAIエージェントを導入・活用することが不可欠になります。

 

データ共有やBIツール・AIエージェントを活用する知見を取得・蓄積することは、今からでも間に合います。ぜひ、こうした知見を取得・蓄積・活用することで、サプライチェーンのパートナーとなって、AI時代もさらなる売上・利益増大を実現しましょう!

 

 

ブライター・レイター 山下 潤一郎 様
ブログへのリンク:Brighter Later Blog