2025年10月7日〜10日の4日間、JAPAN PACK 2025 日本包装産業展 が東京ビッグサイトで開催されました。今回のテーマは「BEYOND|包むで創る 人と未来と Create the Future of Packaging Together」。「包装×DX」「包装×GX」といった切り口を中心に、様々な最新の包装機材・資材・物流機材・ソリューションなどが提案されていました。
その会場で大きな注目を集めていた展示のひとつに、奥村印刷(東京都北区)の「Beakx(ビークス)」がありました。Beakxは「お皿として利用できるパッケージ箱」で、JAPAN PACK AWARDS 2025 包装資材関連カテゴリー 最優秀賞を受賞しました。箱に加工したミシン目を切り離して組み立てれば470mlの皿になります。ブースに展示されていたサンプルはカレーのパッケージ箱ですが、箱を使用する食品ならなんでも可能となっています。


Beakxの興味深いところとして、例えば以下のような点を『プラス』することで、パッケージ箱の競争のルールを変えたことが挙げられます:
1)商品を「購入した後」も意識したパッケージ箱であること。
2)パッケージ箱に別の要素を組み合わせていること。
3)パッケージ箱をトランスフォーム(変形)させることで、その要素が購入者にとって役立つものになること、など
パッケージの主な役割には、「輸送や保管といった物流」「店頭での販売」などにおける、中身の保護や作業性向上などがあります。Beakxはそれらに加えて、「購入後」のパッケージに「購入者の役に立つ」という役割も与えています。その役割はパッケージに組み合わされた別の要素が担っていて、パッケージをトランスフォームさせることで実現されます。

印刷品質やコストといった現在の競争のルールも意識しつつ、「新しい視点・要素」「トランスフォームさせる仕掛け」などを『プラス』して競争のルールを変えること。こうした取り組みは、新しいパッケージを考える際はもちろん、商業印刷物、書籍など他印刷物の価値/競争力を高めることにも役立ちます。
ところで、皆さんもデータの取得・活用に取り組まれていると思いますが、今回のTOKYO PACKでは「データ活用を通じて競争のルールを変える」取り組みも紹介されていました。次回はそれをご紹介します。お楽しみに!
ブライター・レイター 山下 潤一郎 様
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