2022年春の展示会レビュー(1):環境に配慮した資材

 東京でも2022年3月21日をもって、新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置が解除されました。コロナ禍で多くの展示会が中止や規模縮小となりましたが、まん防解除後の4月に開催された展示会には、少しずつですが出展社も来場者数も戻ってきているように感じました。

 さて、この春に開催された「販促EXPO 春」(会期:4月6日〜8日、会場:東京ビッグサイト)、「プレミアム・インセンティブショー 春 2022」(会期:4月13日〜15日、会場:サンシャインシティ コンベンションセンター(東京・豊島区))といった販促系の展示会では、環境に配慮した資材を使った商材が数多く紹介されていました。

 販促EXPOでは、敷島産業(名古屋市守山区)が「不織布バイオマスバッグ」を展示していました。これは、トウモロコシを原料としたバイオマス素材を使用したもので、一定の条件下において微生物等によって水とCO2に分解されるという特徴があります。また、同社によれば、この素材の燃焼熱は石油系プラスチックの1/2〜1/3と低く、焼却時に有毒ガス(ダイオキシン、塩化水素、NOx、SOx)も発生しません。

 

 

 三幸電機製作所(東京・武蔵村山市)は、プレミアム・インセンティブショーで「燃やせるプラスチック 東京未来素材」を使った食器などを提案していました。紙パウダーを51%以上含有する素材で作られていて、電子レンジや食洗機などでも使えます。燃えるゴミとして廃棄でき、一般的なプラスチック原料のものと比べて焼却時のCO2排出量を約28%削減できます。

 

 

 プレミアム・インセンティブショーでは、山陽製紙(大阪府泉南市)がオリジナルのアップサイクルペーパーを小ロットで製作できるサービスを紹介していました。これは例えば、廃棄予定のものを原材料の一部としたオリジナル用紙をつくれるサービスです。ブースには事例として、自社店舗で発生した焼却予定のコーヒー豆かすを一部再利用した、タリーズコーヒージャパンの封筒が展示されていました。

 

 

 SDGsを意識した商材やサービスの開発に取り組んでいる印刷会社も多いと思います。この春の展示会から、環境に配慮した資材はどんどん増えていて、また山陽製紙のようなサービスを使えばオリジナル用紙もつくれることが分かりました。ぜひ、環境に配慮した資材を活用して、売上・利益を伸ばしましょう!
 
 
ブライター・レイター 山下 潤一郎 様
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