プロモーションメディア広告分野のビジネス機会とは!?

3月5日、電通から「2025年 日本の広告費」が発表されました。総広告費は8兆623億円と4年連続で過去最高を更新、牽引しているのはインターネット広告費(4兆459億円)で、その構成比は50.2%となりました。これに対して、(DMや折込などを含む)プロモーションメディア広告費は1兆7,184億円と前年比2%増でしたが、構成比は21.3%と前年(22.0%)から0.7ポイント減少しました。

 

今回は、プロモーション広告費の長期トレンドと最新トピックを組み合わせて分析することで、この分野のビジネス機会を見つけたいと思います。

 

さて、コロナ禍だった2020年のプロモーションメディア広告費(全体)は、コロナ禍前(2015年)と比較して2割ほど減少しました。そして、コロナ禍後(2025年)は2020年とほぼ同じ規模となっています。

 

ただ、詳細を見るとメディアごとに違いがあることが分かります。例えば、「折込」「フリーペーパー」はコロナ禍で特に大きく減少、さらにコロナ禍以降も減少を続けています。その結果、2025年には2015年と比べて折込は50%、フリーペーパーは40%の規模となりました。

 

一方、「屋外広告」と「交通広告」もコロナ禍で大きく減少しましたが、コロナ禍以降は回復基調となっています。そのため、これらのコロナ禍前(2015年)から2025年までの減少幅は、プロモーションメディアの中でも小さなものとなっています。これはなぜでしょう?

 

電通は、屋外広告の新しい動きとして「ネットワーク型のデジタルOOH媒体については、広告取引や配信を自動化するプログラマティックDOOH(デジタル屋外広告)が本格普及の段階に入り、小売・流通業の店舗内サイネージなどリテールメディアへの連携も加速」していることを挙げています。

 

交通広告でも、以下のようにデジタルサイネージがその成長を牽引していることを紹介しています:

・インバウンド需要の高まりで全国的に増加し、特に関西圏では、大阪・関西万博の開催に伴い、駅の大型デジタルサイネージが多く新設されるなど、大きく増加した。
・駅媒体は、引き続き大型デジタルサイネージへの出稿需要が高く、大都市を中心に駅のデジタルサイネージ新設の傾向が続く。
・空港は、インバウンド需要の拡大により、デジタルサイネージを中心に前年を上回った。

 

つまり、「屋外広告」「交通広告」のコロナ禍以降の成長を支えているのは、『デジタルサイネージ』です。これは、『デジタルサイネージ向け広告の制作』が、印刷会社にとって大きなビジネス機会のひとつであることを示しています。

ところで、インターネット広告費は2015年から2025年の間に3.5倍、その一部である「インターネット広告制作費」は2倍の規模へと右肩上がりで成長しました。デジタルサイネージ向け広告は、インターネット広告としてもそのまま、あるいは再編集して使うことができるケースもたくさんありそうです。ということは、デジタルサイネージ向け広告を手掛けることを通じて、印刷会社は成長著しいインターネット広告の分野にも入り込めそうです。

 

DMは、2024年10月の郵便料金改定などの影響で発送数や媒体を見直す動きもあって、足元では厳しい状況にあります。しかし、電通によれば、「QRコード・動画などを利用したオンラインでの完結が可能なデジタルとのハイブリッド運用がさらに進化」しています。

 

こうした動きも組み合わせると、「DMなど紙媒体のハイブリッド運用 x デジタルサイネージ向け広告制作 x インターネット広告制作」という、印刷会社にとって非常に大きなビジネス機会が見えてきます。ぜひ、プロモーションメディアのデジタル化/ハイブリッド化をチャンスと捉えて売上・利益を伸ばし、さらなる成長を実現しましょう!

 

 

 

ブライター・レイター 山下 潤一郎 様
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