印刷物で天然記念物を守る

印刷物の役割は、印刷物発注企業の売上・利益増大に貢献することだけではありません。印刷物は他にも、例えば、国の天然記念物を守るという役割を果たすこともできます。2019年3月18日に開催された印刷産業の地方創生事業事例発表会「じゃぱにうむ2019」のレセプション会場でいただいた「ノーモ」もそういった印刷物のひとつです。

ノーモは新踏社(奈良市)が開発したA5変形サイズのオリジナルノートで、「ノート未満メモ以上」というコンセプトから名付けられました。私がいただいたのは表紙に国の天然記念物「奈良の鹿」が印刷されたもので、これを1冊(200円)買うと売上の4分の1(50円)が一般財団法人 奈良の鹿愛護会の保護活動に使われる「チャリティノート」になっています。

ノーモはオンデマンド印刷で製作されるため、奈良の鹿愛護会も新踏社も在庫レスで販売することができます。また、奈良の鹿愛護会からは表紙に使う鹿の写真を提供していただくだけで、費用を請求することはありません。そのため、奈良の鹿愛護会にとって保護活動費用を集めるためにノーモを依頼するハードルは低くなっています。

 

 

日本には寄付の文化がないと言われており、一方で(災害対策やインバウンドへの対応など)文化財保護に必要な費用は増えています。ノーモは、こうした社会課題を解決するための取り組みのひとつです。

新踏社のような取り組みは、皆さんの会社でも実践することは難しくないでしょう。その際、地元企業や新踏社など全国の印刷会社と「チャリティ活動の輪」をつくり、広げるのも素敵だと思います。ぜひ、皆さんの地元の大切な文化財を印刷物で守りましょう!

 

ブライター・レイター 山下 潤一郎 様
ブログへのリンク:Brighter Later Blog