2022年春の展示会レビュー(2):メタバース向けサービス

 「メタバース」という言葉を目にしたり耳にしたりする機会が増えています。メタバースとは、日経新聞(2022年5月25日朝刊)によれば、「明確な定義があるわけではないが、3次元の仮想空間を指すことが多い」と説明されています。

 Japan IT Week春(会期:2022年4月6日〜8日, 会場:東京ビッグサイト)でも、様々なメタバース向けサービスが展示されました。例えば、Japan IT Week春を構成する展示会のひとつ Web&デジタルマーケティングEXPO春では、ZIKU社(東京都港区)がメタバース型イベントサービスを提案していました。

 これは、バーチャルイベントを簡単に開催できるイベント主催者向けサービスで、出展ブースを外観・内観を複数パターンのデザインから選択し、動画や資料などをアップロード・設置するだけで制作できます。また、対話可能な説明員アバターも設置できます。ブラウザベースのサービスなので、専用ソフトやアプリをインストールすることなく、こうした作業ができます。

 
Roland
 

 メタバース型イベントでは、会期前・会期中・会期後の来場者(あるいは、非来場者)の連絡先や会場内での行動データなどを取得できます。MA(マーケティングオートメーション)などのツールを使ってイベントの効果・効率向上支援サービスを提供する印刷会社も増えていますが、メタバース型イベントはこうしたサービスとの相性も良さそうです。

 次世代EC&店舗EXPO春(同じくJapan IT Week春内の展示会)では、KWD社(横浜市中区)がメタバースショッピングモール「XENO MALL(ゼノモール)」を紹介していました。これはスマートフォン向けのアプリベースのサービスで、VRヘッドセットなしで楽しむことができます。

 ユーザーはアバターを操作して、自由にモール内を歩き回ってウィンドウショッピングをしたり、気に入った商品が見つかれば店員さん(アバター)に詳細を確認したりできます。友人とショッピングモールで待ち合わせて一緒に楽しむこともできます。

 「XENO MALL」は展示会のタイミングではまだ準備中でしたが、4月25日にサービスが開始されました。筆者もアプリをダウンロードしたのですが、まだモールに入場できていません(理由は不明です)。とても興味があるサービスなので、再度挑戦したいと思います。

 
Roland
 

 凸版印刷がビジネス向けメタバースサービス基盤「MiraVerse」を今年4月から提供開始したり、博報堂DYホールディングスがメタバース向けの広告販売事業に参入するなど、メタバース向けサービスはどんどん増えています。ぜひ、新しいトレンドにも目を配って、売上・利益を伸ばすチャンスをしっかり掴みましょう!
 
 
ブライター・レイター 山下 潤一郎 様
ブログへのリンク:Brighter Later Blog