アレを『味』で表現すると

2018年11月8日・9日の2日間、東京国際フォーラムで 「NEC C&Cユーザーフォーラム& iEXPO2018」が開催されました。その会場では「あの頃はCHOCOLATE」というチョコレートが紹介されていました。
 
これは、過去約60年の新聞記事のうち、印象的な出来事のあった5つの年をピックアップし、各1年分の新聞記事をNECの人工知能「NEC the WISE」で分析、分析結果を表した7つの味覚指標をもとに各時代のムードをチョコレートで再現したものです。
 
その5つの年は、1969年(人類初の月面着陸味)、1974年(オイルショックの混迷味)、1987年(魅惑のバブル絶頂味)、1991年(絶望のバブル崩壊味)、2017年(イノベーションの夜明け味)でした。筆者は「1969年 人類初の月面着陸味」を試食しましたが、想像していたよりも苦かったです。「絶望のバブル崩壊味」はどれだけ苦いのか気になります。
 
この発想でいけば、小説をチョコレートの味にすることもできそうです。夏目漱石「我輩は猫である」味とか宮沢賢治「銀河鉄道の夜」味、太宰治「グッド・バイ」味とか。「源氏物語」や「古今和歌集」など、古典作品の味も試してみたいです。
 
AIは文字以外も分析できますので、音楽や映画を味で表現することもできそうです。クイーン「ボヘミアン・ラプソディ」味や安室奈美恵のベストアルバム「Finally」味、スタジオジブリ映画「となりのトトロ」味など、それぞれどんな味になるのでしょう。
 
印刷業界としては、こうしたチョコレートのパッケージや販促用のチラシ、ポスター、POPなどをどんなデザインにするか、受注用Webサイトをどのようなインターフェイスにするか、などいろいろイメージするのも楽しそうです。
 
もうすぐバレンタインデーです。プレゼントしたい相手の好きな本や音楽、映画を味で表現した「パーソナライズされたチョコレート」が近い将来注文できるようになるかもしれせん。実際、「あの頃はCHOCOLATE」はこちらのサイトで販売されました(既に販売終了しています)。こうした取り組みに印刷会社がチャレンジするのも面白そうです。

 
 
ブライター・レイター 山下 潤一郎 様
ブログへのリンク:Brighter Later Blog