virtual.drupa 2021 まとめ . . .(3)輪転デジタル印刷機

 virtual.drupaでは、「ラベル・シール」「軟包装」といった産業用途を中心に、数多くの輪転デジタル印刷機も紹介されました。

 商業印刷・出版・新聞印刷などの市場向け輪転デジタル機は限られていましたが、インクの改良(HP Web Press)や液滴の微細化・着弾精度向上(Kodak Prosper ULTRA)などによって画質はさらに向上しています。オンラインイベントでは、動画で機材の詳細を確認できるのは良いのですが、実際のサンプルで画質の高さを確認できないのが残念です・・・

 デジタルラベル印刷機市場は、他市場と比べて大きな動きが見られました。例えば、高速化・多色化が進んでいて、HPが昨年発表した新機種「Indigo V12」は最大印刷速度毎分120m, 最大12色となっています。

 新規参入も進んでいます。パッケージ用加工機メーカのBOBST社(スイス)は2017年、インクジェット技術を持つベンチャー企業Radexと新会社Mouventを設立しデジタルラベル印刷機を開発、それらを今回のvirtual.drupaで紹介しました。

 トナー式デジタルラベル印刷機を提供してきたXeikonは、UVインクジェット式デジタル機 PX30000 を提案しました。あわせて、箔押しやUVスポットニス加工などができるラベル用オフライン加飾機 Xeikon FEU(Fusion Embellishment Unit)も展示されました。

 軟包装印刷市場向けには、LandaやHPから提案がありました。この市場でも高速化・多色化が進んでいて、Landa W10は最大印刷速度毎分100m(ハイスピードオプション毎分200m)・最大8色です。virtual.drupaには出展していなかったSCREEN GAやミヤコシも、この市場向けに水性インクジェット機を昨年発表しています。

 次回drupa(2024年5月28日〜6月7日)では、さらに進化した産業用輪転インクジェット機が展示されることが期待できます。また、商業印刷用輪転インクジェット機の高画質なサンプルも実際に目にすることができるでしょう。drupa2024が楽しみです!
 
Roland
 
 
ブライター・レイター 山下 潤一郎 様
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